基本的に必要です
シーズンタイヤを履き替えていると特に気になるのが、タイヤのローテーションだ。
一般的な話として入れ替えをした方が良いと言われているけど、どの程度必要なのだろうか。
いまいち理解できずにそのまま同じ位置に付けている人が多い。
しかし、実はタイヤのローテーションを行なった方がタイヤを最後まで使い切る事が出来てとてもお得なのだ。
詳しく見ていこう。
1.タイヤは操舵輪、駆動輪から先に減る
地面に設置しているところを見ると、どのタイヤも同じように磨耗していくように見える。
しかし、実際はそうではない。
操舵輪の磨耗
車の方向を変える為にハンドルを切ると、ほぼ全ての車は前輪2つがハンドルに連動して方向を変える。
この前輪2つは操舵輪と呼ばれ車のコントロールに使われる。
操舵のたびにタイヤは地面の摩擦を受けながら動くことになり、後輪に比べて磨耗が早くなってしまう。
駆動輪の磨耗
アクセルを踏むとエンジンが回り、それに連動してタイヤが回転する。
エンジンに連動して回るタイヤを駆動輪と呼ぶ。
この駆動輪は車種によって異なる。
大まかに分けると以下の方になる。
駆動輪の分類
- 前輪駆動(FF)
- 後輪駆動(FR、MR)
- 四輪駆動(4WD)
国産の車の多くは前輪駆動(FF)であり、前のタイヤのみ回転する仕組みになっている。
駆動輪はエンジンの力を地面に伝える為に、地面と激しい摩擦を起こす。
一方で駆動輪ではないタイヤは駆動輪に引っ張られて回転するだけなので摩擦が少ない。
前輪駆動(4WD)の落とし穴
4WDは全てのタイヤが回転するので等しく磨耗すると思われがちだが落とし穴がある。
日本の道路は舗装状況が良く、狙って走行しなければ四駆である必要な状況が常にある訳ではないのだ。
更に、タイヤを全て回転させると燃費が良くない。消費者が車を選ぶ指針の一つとして燃費は欠かせない要素だ。あまりに燃費が悪いと購入したしてもらえないかもしれない。
日本の舗装状況、燃費による売り上げへの影響、これらの要素を加味して生まれたのがアクティブコントロール4WD(AWD)だ。
アクティブコントロール4WD(AWD)は通常時には前輪駆動(FF)で走行する。しかし、前輪の空転やスリップを感知すると瞬時に4WDに切り替わり後輪が回転し車体を安定させてくれる。
つまり、アクティブコントロール4WD (AWD) は必要時のみ4WDに切り替えを行い、前輪駆動の燃費と四輪駆動の走行性の美味しいところを両方兼ね備えた仕様なのだ。
アクティブコントロール4WD (AWD)は国産車にも多数搭載されている。
四輪駆動(4WD)だから駆動輪であることを除けばタイヤの磨耗は全て等しいと思っていたのに、実際はアクティブコントロール4WDで、ほぼ前輪駆動(FF)で走っており前輪だけ大きく磨耗している可能性がある。
四輪駆動(4WD)であってもタイヤのローテーションは必要なケースが存在する事を良く覚えておいて頂きたい。
2.ローテーションしないとタイヤの寿命が短くなる
タイヤには寿命がある。車に装着して走る限り必ず寿命は必ず訪れる。だが、ローテーションを行わないと寿命が来るのが圧倒的に早くなってしまうのだ。
前述の通り、タイヤは操舵輪、駆動輪が先に磨耗していく。この為、タイヤ2本のみがどんどん磨耗していき、他の2本はさほど磨耗しないと言った状況が生まれてしまうのだ。つまり、2本のみが先に磨耗し切ってしまうと交換をしなくてはならなくなるというわけだ。
全く同じタイヤが2本だけ手に入れば良いが、違うタイヤになってしまうと性能が異なる為制動が不安定になりおすすめできない。この為、2本が先にダメになったせいで4本とも交換しなければならないハメになってしまうのだ。
3.ローテーションマークの有無に注意
タイヤによっては性能を最大限に発揮する為、回転方向を決めている物がある。
タイヤは左右どちらにつけるかで回転方向が異なるのでどちらにつけて良いか迷わないように、推奨する回転方向がタイヤの側面に記載されている。
上の写真がローテーションマークだ。タイヤの側面に時計回りの矢印が沢山付けられているのが分かると思う。このタイヤは時計回りにローテーションマークが描かれているので、進行方向右側に取り付ければ良い事が分かる。逆向きに取り付けるとタイヤの性能が引き出せずグリップ力が小さくなり走行しにくくなってしまう。
4.ローテーションやり方
タイヤのローテーションはローテーションマークの有無、駆動方式により異なる。
タイヤローテーションのパターン
- ローテーションマークがある場合
- ローテーションマークが無く前輪駆動(FF)の場合
- ローテーションマークが無く後輪駆動(FR)の場合
- ローテーションマークが無く四輪駆動(4WD・AWD)の場合
ローテーションマークがある場合
ローテーションマークが描かれているタイヤは原則同じ側にしか取り付けができない。
この為、ローテーションは前後で行おう。
ローテーションマークが無く前輪駆動の場合
前タイヤを後ろに回し、後ろタイヤはクロスして前に交換する。
ローテーションマークが無く後輪駆動の場合
後ろタイヤを前に移し、前タイヤをクロスして後ろに交換する。
ローテーションマークが無く四輪駆動の場合
四輪駆動は必要時のみ四輪駆動するAWDになっているケースが多い。この為、交換方法は前輪駆動と同じとなる。
前タイヤを後ろに回し、後ろタイヤはクロスして前に交換する。
5.スペアタイヤのローテーションはお好みで
タイヤ交換の他サイトではスペアタイヤも込みでローテーションを勧めるものが見られる。
ただ、洗車部!ではスペアタイヤを含めたローテーションはおすすめしない。
スペアタイヤをローテーションに組み込むと、5本で交代しながら使用できるので確かに磨耗のスピードは遅くなる。
だが、全てタイヤの仕事はパンクした際に確実に交換して使用できる事だ。
いざパンクしてしまった時に、磨耗し切ったスペアタイヤが出てきて役に立たなかったら意味がないからだ。
スペアタイヤはいつでも万全の状態でキープすることが重要なのだ。
まとめ
- タイヤのローテーションは長持ちさせるために必須
- ローテーション方法は車の操舵輪・駆動輪により異なる
- スペアタイヤのローテーションはおすすめしない