車のガラスに鬱蒼と付いたウロコ。この目障りなウロコを一網打尽にする方法がある。それは『3Mのコンパウンドとポリッシャーで磨くこと』だ。しつこいウロコを無くして綺麗なガラスを手に入れる方法をお教えしよう。
使用する道具
この記事で紹介するガラス磨きには以下の道具を使用する。
使用する道具
- 洗車道具一式
- マスキングテープ
- コンパウンド(3Mガラス磨きコンパウンド)
- ポリッシャー(京セラ(リョービ) RSE-1250)
洗車道具一式
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洗車道具はいつも使用しているもので構わない。ただし、カーシャンプーだけはワックスが含まれないものを使用しよう。ワックスが含まれていないものを使用した場合、まれにポリッシャーのスポンジによる摩擦熱で変色していまう場合がある。例えばシュアラスターのカーシャンプーなどはワックス等が全く含まれ無いものが販売されており、塗装にも影響がないことがうたわれているのでおすすめだ。
マスキングテープ
余計な部分を磨いてしまわないようにマスキングテープを使用する。コンパウンドはゴム質やコーティング層に付着するとそれらを壊してしまう可能性がある。少し触れたぐらいでは直ちに影響を及ぼす程ではないが、落とし忘れてしまうと変色したりする可能性もあるので、ガラスとの境界線を保護するためにぜひ用意しよう私の愛用品は上の3M製マスキングテープだ。安価な上、細身ながら沢山入っているので気兼ねなく使用できるのがおすすめの理由だ。
コンパウンド
ガラス磨きの成否を分ける重要なコンパウンドは3Mガラス磨き用コンパウンドを使用する。私が通っていたディーラーでもこれを使用しているなど本職の間でも重宝されているガラス磨き用コンパウンドの決定版だ。少々値段は張るが、性能はバッチリなので安物買いの銭失いをしたくない人にはピッタリの品と言えるだろう。
ポリッシャー
手磨きでは大変なのでポリッシャーは必需品だ。3Mのガラス磨き用コンパウンドは手で磨くことも出来る。その証拠に裏面の取扱説明には手磨きの手順もちゃんと記載されている。だが、残念ながら車1台を手で磨くためには1日あっても足りないくらい時間がかかる。1日以上時間が取れても、手が疲れすぎてとてもではないが完遂できるものではない。
そこで必要になるのがポリッシャーと呼ばれる道具だ。ポリッシャーは回転する盤面にスポンジを取り付け、そこにコンパウンドを付与して磨く面に押し当てることでお手軽かつ高速に磨き作業を小なうことが出来るのだ。私のおすすめポリッシャーは京セラ(リョービ) RSE-1250だ。
ポイント
リョービは工具部門を京セラに売却した為、ブランド名が変わりました。その際に色も緑から赤に変更されました。ただし、機能は同じです。
この製品は『ランダムアクション』と呼ばれる動きをする種類のものだ。ランダムアクションとは単純に回るだけではなく不規則に回転軸をぶらしながら動作してくれる。この不規則動作が無いと磨く面が同じ周期になりすぎて磨き傷(オーロラマーク)と呼ばれる傷が出来てしまう。
熟練者ならランダムアクションが無くても手作業で磨き傷無しで仕上げることも可能だが、素人がいきなり達成するのは不可能だ。そこでランダムアクションを搭載した京セラ(リョービ) RSE-1250を使用することで素人でも磨き傷を作ること無く簡単に磨き作業を行うことが出来るのだ。
ガラスだけでなく、ボディ磨きなどにも使えるので1台持っていればカーライフが楽しくなる1台なのだ。準備が完了したらガラス研磨の手順について確認していこう。
ガラス研磨の手順
優秀な道具を揃えても手順を間違えると簡単に失敗してしまう。車のガラスを上手に研磨するには以下の手順で実施する事が重要だ。
ガラス研磨の手順
- まずは洗車
- マスキング
- 研磨
- コンパウンドを拭き取る
- 洗車
- 完成
まず洗車
なぜ初めに洗車を行うのか
ポリッシャーを掛ける前には必ず洗車が必要だ。ポリッシャーで汚れを落とせば良いと勘違いしている人がいるが、それは大きな間違いなのでご注意頂きたい。
ポリッシャーは非常に細かい粒子で出来たコンパウンドをスポンジで押し付けて研磨を行う。洗車せず大きな汚れが残ったままでこの作業を行うとどうなるか想像できるだろうか。
そう。大きな汚れがスポンジでガラスに押し当てられ、あっという間に取り返しの付かない傷が発生してしまう。そうならない為に、事前に綺麗に洗車しておく必要があるのだ。
洗車自体はいつもと同じ
ガラス研磨を行うのが目的なのでガラス面は念入りに洗車する程度でいつもの洗車と大きく変わりは無い。丁寧に汚れを洗い流してやろう。
マスキング
なぜマスキングテープが必要か
コンパウンドはボディやゴム材質のパーツに付着し放置すると、それらを痛めてしまう可能性がある。そこでガラス面とパーツの間をマスキングテープで埋めてしまう事で余計な箇所にコンパウンドが飛び散らないようにするのだ。
マスキングテープを貼るコツ
誤って塗る可能性が高い場所、つまりガラス面の周りをぐるっと囲むように貼り付けるのがコツだ。
ガラス面の周りはなんらかのゴムパーツ、または隙間が存在する。ここにコンパウンドが付いてしまうと取れ辛いので非常に掃除が大変になる。
これらのゴムパーツや隙間を埋めるように貼り付ける。厳密にはマスキングの下にもコンパウンドが入り込む事があるので、5mmから1cm程度ガラス面にはみ出しておけば安心だ。
マスキングテープが貼り付け出来たらいよいよコンパウンドがけに移ろう。
研磨
コンパウンドの塗布
RSE-1250に付属のスポンジを取り付け、コンパウンドを適量垂らそう。コンパウンドの量は一度に磨くガラスの面の大きさにより変わってくる。写真のような小さなガラス面ならスポンジ半周くらいの量が使いやすい。
また、フロントガラスの様に傾いたガラス面なら、スポンジではなく直接ガラスにコンパウンドを垂らしても良い。
スポンジとコンパウンドを馴染ませる
スポンジにコンパウンドをつけたまま回転を始めてしまうとコンパウンドが辺りに飛び散ってしまう。必ずコンパウンドがスポンジに染み込む様にガラス面と擦り合わせておこう。
回転メモリは「4」を使用する
RSE-1250は回転速度を自分で調整出来る。私の経験則では「4」が最も使いやすい。回転速度を上げると磨き能力が上がり早く作業が進むが、その分振動も増える為、手が疲れてしまう。私の手には回転と震度のバランスが良いのは4だった。ただし、4以外でも作業自体は可能だ。3以下では震度が少なくなるが作業には少し時間がかかる様になる。あなたの手にちょうど良い回転速度を見つけると良いだろう。
磨き始めのコンパウンドは液体状
磨きが進むとコンパウンドが液体から粒子状に変化する。コンパウンドで磨き始めは、液体状のままなので磨きたいガラス面に広げる様に磨いていこう
はみ出さない様に注意
きっちりマスキングテープを貼り付けていてもRSE-1250のスポンジは大きい為、ボディに接触する可能性がある。ボディにコーティングを施している場合、コンパウンドがコーティングを破壊してしまうので十分に注意して作業を行わなければならない。と、いってもそれ程難しい訳ではない。ガラスの端まで磨こうとせず、少し内側までに止める様にすれば良いのだ。
ガラスの端は通常、ガラスを閉じた状態なら可視領域の範囲外なので気になることも少ないだろう。降りた時に磨き残しがあると我慢出来ない人は際(キワ)の部分だけは手作業で磨くと良いだろう。
手はゆっくり動かす
ガラス面を磨く為にはポリッシャーを早く動かす必要はない。RSE-1250は研磨力が控え目なのでむしろゆっくり動かす位で使う方がちょうど良いのだ。
疲れてくると手前に傾く
RSE-1250は研磨力控え目ではあるのだが、普段使い慣れていない人には振動が大きく感じる。その為、しばらく使っていると手が疲れて手前に傾いてしまう。
面に対して垂直に保つのが上手く施工するコツ
スポンジが傾くと研磨の具合に差が出てきてしまい仕上がりが美しくならない。たまにスポンジの傾きを確認して面に対して垂直に当てている状態を維持しよう。
押し付ける強さ
ポリッシャーが回転しているだけではガラスは研磨されない。ポリッシャーを持つ手でガラス面に押し付けることで始めて研磨が行われる。スポンジが少したわむくらいの強さで押し付けて研磨できているか様子を見よう。研磨が進まないようであれば、徐々に力を加えていけば良い。
力が入っていないといつまでも研磨されない
ガラス磨きは経験がないと磨き過ぎを恐れるあまり押し付けが足りずいつまでも研磨されないケースが多い。研磨されているかを確認しつつ、徐々に恐怖心を減らしながら押し付ける強さを上げていけば良いだろう。
力の入れ具合は音で判断する
傾きと同じように徐々に疲れて押し付ける力が弱まってくる。押し付けられている時とそうでない時はポリッシャーの音が違うので注意して聞いていると力が弱まってしまっている事に気がつく事が出来る。
押し付けが弱いと音が高くなる
押し付けが弱い、即ち、空転している状態に近くなると高い音がする。この音を覚えておけば、力が弱まった時に気がつく事が出来る。
押し付け出来ていると音は低くなる
ガラス面にしっかり押し付け出来ていると空転している時に比べて音は低くなる。この状態をキープすれば良いのだ。
目だけでなく耳でも注意すれば作業が捗る
疲れた手から入ってくる情報より耳から入る音の方が明確に押し付け具合を察知出来るようになる。初めから音で判断するのは難しいかも知れないが使い続けていると出来るようになるので頭の片隅に置いておくと良いだろう。
コンパウンドが粒子状に変化
RSE-1250を動かし続けていると、ある時を境に液体だったコンパウンドが粒子状に変化する。
粒子状になってからが本番
実は3Mのガラス磨きコンパウンドはこの粒子状になってからが本領発揮なのだ。細かな粒子がスポンジによってガラス面と摩擦を起こし研磨されて行くのだ。
ゆっくり動かすのがコツ
コンパウンドが粒子状に変化したらRSE-1250を動かす手を一層ゆっくりにしてガラス面を隙間なく磨いていこう。何度か磨く動作を繰り返したらウェスなどで拭き取り、ウロコが取れたか確認してみよう。
万が一取れていなければ、回転速度を上げるか押し付ける力がを少しずつ上げてみて再度チャレンジしてみよう。何度か繰り返す事でウロコ程度ならキレイに除去できる。
コンパウンドを拭き取る
ウロコの除去が終わったら洗車の前に必ずコンパウンドを濡れたタオルなどで拭き取っておこう。カーシャンプーの泡を使うとはいえボディとの摩擦が起こりコーティングを壊す恐れがあるからだ。濡れたタオルで大半のコンパウンドを落としてしまえばコーティングを痛める可能性が大いに下がる。一手間かかるが大事な作業なので確実に行おう。
マスキングテープは洗車前に外す
ゴムパーツや隙間を守っていたマスキングテープは洗車の直前に外そう。丁寧にマスキングテープを貼り付けてもわずかにテープの下までコンパウンドが入り込む事がある。洗車前にマスキングテープを外しておけば、それらの微細なコンパウンドも洗車でキレイに落とす事が出来る。言い換えると、洗車の後に外してしまうと微量のコンパウンドが付いたままになるので注意が必要だ。
洗車
付着したコンパウンドの残りをしっかり落とす為に、多めの泡でしっかり洗おう。注意して作業してもコンパウンドの飛沫はボディにも飛んでいる可能性があるので、ガラス面に限らず車体全てをキレイに洗車しよう。
ガラス磨き完成
しっかり水気を拭き取れば綺麗なガラスの完成だ。水滴が残っていると新たなウロコの元になってしまうのでしっかり拭き取りしてこう。
窓コーティングの施工
ガラス窓を磨いた後はコーティングする絶好の機会だ。この期を逃さずコーティングすればワンランク上の仕上がりを得ることができる。
おすすめのコーティング剤
定番はガラコ
ガラスのコーティング剤で有名なのは、やはりガラコだろう。
どこにでも売っていて手に入れやすい。施工しておけばガラス窓の水滴が簡単に吹き飛んでいくので安全面でも役立ってくれる。
ぜひトライしてみよう
窓磨きは道具さえしっかり揃えれば難易度は非常に低い。素人でも十分にトライできる内容だ。ウロコがついてしまったり一度付着させたワックスを剥がしたい時にはぜひトライしてみよう。
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