冬は車高の高さに関係なく平等に訪れます。即ち全ての車に冬タイヤ装着の機会が訪れます。車高の低い車はタイヤ交換がやりにくいです。簡単に交換できる方法について説明します(^O^)
用意するもの
まずは、タイヤ交換に必要なものを揃えましょう。必須の道具は以下の通りです。
フロアジャッキ
車を持ち上げるのに使用します。車載工具のジャッキだとタイヤを1つずつしか交換できませんが、フロアジャッキがあると一気に2本交換できて効率的です。
ジャッキスタンド
万が一、フロアジャッキが外れてしまったときに車を支えてくれるサポート器具です。交換するタイヤを置いておく方法もありますが、上手く支えが効かない可能性もあるのでジャッキスタンドを必ず用意しましょう。
スロープ
車高が低い車の救世主になってくれるのがこの「スロープ」です。スロープに車を載せることでフロアジャッキが入らない車高が低い車でも使用可能になります。
トルクレンチ
タイヤの固定はきっちりと規定の締付け圧(トルク)を守る必要があります。適当に締めていると走行中にタイヤが脱落したりする可能性もあるのでとっても危険です。トルクレンチがあればメーカー推奨の締付け圧を守ることができ安全です。
クロスレンチ
ナットを外す時に使用します。ナットにはめ込み、足で踏みつけるだけで簡単に外すことが可能です。トルクレンチでやると壊す可能性があるので安いクロスレンチも用意しておきましょう。
タイヤストッパー
車を持ち上げた時に、車が滑らないように固定するために使用します。安全に関わる道具なので必ず用意しましょう。
ホイールクリーナー
外したホイールを掃除するのに使用します。ホイールはブレーキダストが付着しており、通常のカーシャンプーでは除去できず専用のホイールクリーナーが必要になります。
タイヤラック
外したタイヤを保管する際に使用します。屋根があって日が当たらない場所を用意できるのであればすのこの上に積み上げるだけでもOKです。
交換方法
チェックリスト
- 1. 車を安全な作業場所に移動させる
- 2. スロープをタイヤに差し込む
- 3. 少しずつ前進し車をスロープに載せる
- 4. ウマ(リジットラック)を準備
- 5. ナットを少しだけ緩める
- 6. フロアジャッキで車体を上げる
- 7. ナットを外す
- 8. タイヤを外す
- 9. ハブリングを取り付ける
- 10. 交換タイヤをナットで軽く留める
- 11. ジャッキダウン
- 12. 規定トルクで締め付け
- 13. スロープから車を下ろす
- 14. 前輪(または後輪)にスロープを差し込む
- 15. 同じ様にタイヤ交換
1. 車を安全な作業場所に移動させる
タイヤ交換は意外と時間がかかります。また、車体が一時的に走行出来ない状態になり非常に危険を伴います。
その為、ガレージなど車体周りに通行する人が居ない安全な場所に車を移動させましょう。
2. スロープをタイヤに差し込む
前輪、または後輪の交換しない方にスロープをまっすぐ差し込みます。スロープはタイヤの奥までしっかりと差し込みましょう。
3. 少しずつ前進し車をスロープに載せる
エンジンを掛け、少しずつスロープに車体を載せていきましょう。
ポイント
スロープはアクセルをゆっくり開けて1段ずつ登る
段差付きのスロープはアクセルを少しずつ開けていき、1段登ったらストップします。登らないからと言って焦ってアクセルを開けすぎるとスロープを通り過ぎてしまいます。じわじわと登るのがコツです。
出来れば2人以上で確認しながら作業するのが望ましいですが、1人しかいない場合は小まめに状態を確認しながら行いましょう。
スロープが滑ってしまう場合
作業場所が滑らかなコンクリートの場所、プラスチックのスロープだと滑ってしまう可能性があります。
その場合は滑り止めが付いた軍手をスロープの手前に敷いてやると良いです。
これだけでスロープがしっかりコンクリートにグリップして滑らなくなりますよ。
ポイント
スロープが滑る時は滑り止め付きの軍手を敷く
4. ウマ(リジットラック)を準備
ジャッキをかける前にウマを車体の横のジャッキポイント付近に用意しましょう。
ポイント
ジャッキアップの前にウマを横に置いておく
フロアジャッキは大きく車体を持ち上げる事が出来ます。その為、車体の下に簡単にアクセスできる様になります。しかし、何らかの原因でフロアジャッキが外れてしまうと1tから2tの車重が襲いかかってくる事になります。挟まれるとまず1人では抜け出せません。
その様な恐ろしい事態にならない様に、万が一フロアジャッキが外れても車体が支えられる様にウマは必ず用意しましょう。
5. ナットを少しだけ緩める
ジャッキで車体を持ち上げてしまうとタイヤが空転しナットが回せなくなってします。車重と地面で固定されている間なら簡単にナットを緩める事ができます。
ポイント
ジャッキアップ前にナットを緩める
フロアジャッキなら前輪、または後輪の2つを同時に交換出来るので持ち上げる側のタイヤ2本を緩めておきましょう。
6 .フロアジャッキで車体を上げる
スロープで稼いだ隙間からフロアジャッキを差し込み、車体を上げていきましょう。
持ち上げる高さはタイヤがスロープから3cm程浮き上がる程度が望ましいです。あまり高く上げすぎると交換用のタイヤを高く持ち上げなければならないからです。
ポイント
タイヤは3cm浮く程度持ち上げる
あまりにギリギリだとタイヤのつけ外しの際にスロープに触れて位置がずれてしまう可能性があるからです。
7. ナットを外す
緩めておいたナットをすべて外しタイヤをフリーにしましょう。クロスレンチでくるくる回すだけで簡単に取り外す事が出来ます。
8. タイヤを外す
ナットが全て外せたらタイヤがフリーになるのでまっすぐタイヤを手前に引き出して取りはずそう。傾けて外すとタイヤの内側に格納されているブレーキと接触してしまう。
ポイント
タイヤは傾けずに真っ直ぐ引き抜く
9. ハブリングを取り付ける
交換対象のホイールが純正では無く汎用品なら車体側のハブボルト(ホイールの中心の穴に合わせる部分)の径が合っていない可能性が高いです。ホイールとハブの系に合わせたハブリングを使用するとこのズレを修正しタイヤをピッタリ留める事が出来ます。
ハブリングはハブ側にはめ込むだけでOKです。特に固定等は必要なくタイヤと挟んで留めるだけです。
ポイント
錆が出ている場合は目の細かい紙やすりなどで除去する
ハブ周辺は車によっては錆が出やすいです。錆びてしまうとハブの径が変わってしまいハブリングが上手く取り付けられない場合があります。
この場合は目の細かい紙やすりなどで錆を落としてやれば良いです。なお、ブレーキの近くなので錆落としは使用しない方が無難です。錆落としは潤滑剤が混ざっていることがあり、ブレーキが効かなくなる恐れがあるからです。
10. 交換タイヤをナットで軽く留める
交換するタイヤをボルトに差し込み、ナットを手で閉まる範囲で取り付けましょう。
ポイント
ナットはトルクレンチのビットを手回しで星型の順で取り付ける
ビットを使うとやりやすい
ナットはホイールの少し奥に差し込んで止まる形になります。指だと狭くて回し辛いですが、トルクレンチのビット部分を使う事で簡単に手回しで締める事が出来ます。
ナットの取り付けは『星型』で行う
タイヤは非常に大きく重いため、1箇所だけ留めると自重で傾いてしまいます。真っ直ぐ取り付けるためにはナットを均等に締め付けてやる必要があります。
ナットは上の写真の様にちょうど星型になるように留めていきましょう。
フロアジャッキで前輪、後輪どちらか2本を上げている場合は両輪を同時に交換できます。2本分の作業が完了したら次の工程に進みましょう。
11. ジャッキダウン
スロープを使用したタイヤ交換で最も注意したいのがこのジャッキダウンです。
ポイント
車体の下は確実に何もない事、スロープがずれていない事を確認しよう
ウマの除去
タイヤの取付が完了したら設置していたウマを除去し車体を下ろす準備をしましょう。
スロープの位置再確認
予め設置していたスロープの車体の下に何も残っていない事を確認しましょう。
ジャッキを下ろす
タイヤを留めることが出来たらジャッキを下ろしていきます。
フロアジャッキの圧抜き弁を操作するとジャッキが降りてきますが、少しずつ緩めても車重によりある程度勢いよく降りてきます。綺麗にスロープの上に落下させましょう。
もしスロープからずれてしまったら慌てずに圧抜き弁を閉め直し、再度ジャッキアップして再挑戦しましょう。
12. 規定トルクで締め付け
無事にスロープの上にタイヤが降りたらトルクレンチを使って規定トルクで締め付けを行いましょう。
ポイント
締め付けの前に規定トルクを確認しよう
大抵の車は以下が規定トルクになっている場合が多いです。
タイヤ取り付け用ナットの規定トルクは車の取扱説明書に必ず記載されています。確認してきっちり設定しましょう。
13. スロープから車を下ろす
タイヤの取付が完了したら、フロアジャッキなど周辺の機材を全て車から離し車をスロープから降ろしましょう。
14. 前輪(または後輪)にスロープを差し込む
無事に前輪、または後輪の作業が終わったら次は反対側の作業に移ろう。再度スロープを差し込んで車を浮かせましょう。
15. 同じ様にタイヤ交換
基本的に交換方法は前輪、後輪共に同じです。
16. タイヤを洗浄して保管
外したタイヤは必ず洗浄してから保管しましょう。
ポイント
ホイールは専用洗剤、タイヤは水洗いのみでOK
汚れには強い素材ですが、半年間同じ場所に汚れが付着したままの状態にしておくと思わぬ劣化を招く可能性もあります。
ホイール専用シャンプーで汚れを浮かせ専用ブラシでこすってやることで簡単に綺麗にすることが出来ます。
なお、タイヤ自体は水洗いだけで問題ないです。タイヤワックスは実はタイヤを綺麗に見せる効果はあるものの、長期間付着したままだとタイヤのゴムに悪影響がでる可能性があります。目立つ汚れだけ水洗いしておけばそれでOKです。
タイヤを来シーズンまで保管する
洗浄と乾燥が完了したタイヤは来シーズンまで大切に保管しておきましょう。タイヤの保管に関してもポイントがあります。
ポイント
タイヤ保管はスノコの上においておく
タイヤは冷暗所に保管する事になりますが、積み上げてしまうと一番下のタイヤに湿気がたまってしまいます。そこで『スノコ』を使用する事で湿気を逃がすことができます。
スノコはタイヤのサイズに合わせて用意しよう。簡単な構造なのでホームセンターで木材を買ってDIYするのもおすすめです。
以上でタイヤ交換は完了で完了です。お疲れさまでしたヽ(=´▽`=)ノ
まとめ
車高が低い車でもスロープさえ用意すれば通常のフロアジャッキが使用可能です。道具さえ揃えてしまえば毎シーズンのタイヤ交換は自力でできるようになり、とってもお得です。ぜひトライしてみてくださいね。