今や洗車に欠かせない存在となった高圧洗浄機だが、各社から発売されていてどれを購入すれば良いか迷ってしまう。そんなあなたの為に、ヒダカ、ケルヒャー、リョービの3社から発売されている洗車向けモデルを比較して見た。ぜひ参考にしてベストな一台を発見して欲しい。
ヒダカ、ケルヒャー、リョービの高圧洗浄機を徹底比較
早速だが3社の高圧洗浄機から『洗車を目的としたセット』を選び本体、オプションについて詳細に比較してた。選定した3社のモデルとその詳細は以下の通りだ。
メーカー | ヒダカ | ケルヒャー | リョービ |
---|---|---|---|
セット名 | HK-1890 本格洗車セット | K 5 サイレント カー&ホームキット | ヒダカオリジナル 洗車セット |
価格 | 32,800円 | 58,000円 | 33,000円 |
本体 | ○ | ○ | ○ |
モーター方式 | インジェクション | インジェクション | インジェクション |
水圧 | 9Mpa | 8Mpa | 7.5Mpa |
動作音 | 中 | 中 | 中 |
トリガーガン | ○ | ○ | ○ |
高圧ホース | 10m | 12m | 10m |
延長高圧ホース | 10m | × | 10m |
標準ノズル | ○ | ○ | ○ |
ターボノズル | ○ | × | ○ |
ブラシ | ウォッシュブラシ | 回転ブラシ | × |
フォームランス (洗剤散布ノズル) | ◎濃度調整可能 | ○濃度固定 | △手動希釈 |
バリアブル アンダー ボディスプレーランス | ○ | × | ○ |
ノズルクリーナーピン | ○ | × | ○ |
水道蛇口ワンタッチ カップリング | ○ | × | ○ |
3m水道ホース一式 | ○ | × | ○ |
自吸キット | × | × | × |
取扱説明書 | ○ | × | ○ |
専用洗剤 | × | ○ | ○ |
テラスクリーナー | × | ○ | × |
比較を行った結果、上記赤字で記載したとおり、ヒダカの高圧洗浄機セットが洗車に最も適している事がわかった。詳しく見ていこう。
価格
安い順にリョービ、ヒダカ、ケルヒャーとなる。ケルヒャーは洗車以外に家屋や外壁を清掃する道具もセットになはいるがそもそもの値段設定が高めだ。洗車に必須のオプションがいくつか不足している事もあり、有名だからという理由でケルヒャーをおすすめするのはお値段的にもおすすめはできない。ヒダカが32,800円と最も安価で購入しやすい価格設定となっている。
水圧
高圧洗浄機にとって出力できる水圧は生命線だ。水圧が足りなければ汚れが取れず、ホースで洗車しているのと変わらなくなってしまう。より高い水圧が出せる方が取れる汚れの範囲を広げ、落とすまでの時間を短縮する事が出来るとても重要な性能なのだ。3つの洗車機において、最高出力は『ヒダカの9Mpa』だ。この威力は電動型の高圧洗浄機では間違いなく最強クラスなのだ。
動作音
3つの高圧洗浄機はどれも『インジェクションモーター』と呼ばれる動作部品が搭載されている。ユニバーサルモーターは接触部品が無いため、動作音が小さめになる。深夜早朝など静かな時間帯ではそれなりに目立つ音ではあるが、日中時間帯なら住宅街でも十分に使用できる音量になっている。
トリガーガン
本体に接続して使用する水の発射器具だ。これはどの高圧洗浄機でももれなく付いており、性能に大差はない。
高圧ホース、延長高圧ホース
高圧洗浄機で圧縮された高圧の水は通常のホースには耐えられないので、専用の高圧ホースを使用してトリガーまでの接続を行う。こちらも基本装備の為、どの高圧洗浄機にも用意されているが、ケルヒャーのみ12mで、ヒダカとリョービには延長高圧ホースが用意されているので10m+10mで20m対応となっている。
水道の蛇口はどこにでもあるわけではないので、水道の位置と洗車したい場所が離れている場合は必ず長さを測って余裕のあるものを選択しよう。
標準ノズル
高圧洗浄機の標準ノズルは基本的に以下の2つの放水ができる様になっており、3社どれを購入しても同じ効果を得ることができる。
標準ノズルで出来る放水方法
- 直線噴射
- 扇状噴射
狭い範囲を狙う威力の高い『直線噴射』
高圧洗浄機のパワーを狭い一点に凝縮して狭い範囲に直線で噴射する方式だ。威力は高く洗浄能力は高いが車のボディには強すぎる為、洗車では使用しない。洗車にはもう一つの『扇状噴射』を使用しよう。
広い範囲を適度な威力で狙える『扇状噴射』
車のボディに適度な威力でしかも広範囲を狙える『扇状噴射』は洗車にぴったりの噴射方法だ。洗車に使用する水噴射は基本的にこの形状を使用することになる。ただし、標準ノズルはトリガーから直線で狙う為、車体の下や上が狙いにくい。そういう時は後述のバリアブルアンダーボディースプレーランスを使用する。
ターボノズル
標準ノズルの直線噴射を自動で円を描くように動く使用にしたもので、直線噴射ながら手を動かさずに広い範囲を洗えるようにしたものだ。ただし、あくまで直線噴射であり、勢いが良すぎるので洗車では使用しない。コンクリートなど硬いものを洗浄するにはぴったりのオプションだ。ターボノズルはヒダカとリョービに用意されておりケルヒャーには付随しない。
ブラシ
洗車機に取り付けて使用するタイプのブラシだ。洗浄の後、トリガーを握ればブラシの先端から水が発射され、洗い流しも出来る便利な一品だ。ヒダカのブラシは単純なブラシ形状だが、ケルヒャーの物はトリガーの水流に合わせて回転する様になっており、手を動かさなくても磨く事が出来る。二つのブラシは仕様が異なるが回転ブラシは洗える面積が小さい為、ヒダカの単純ブラシで十分だ。次に説明するフォームランス(潜在散布ノズル)と組み合わせれば手を濡らさずに洗車を完成させる事も可能だ。
フォームランス(洗剤散布ノズル)
カーシャンプーはバケツで泡立てる物という考えはもう古い。フォームランスにカーシャンプーをセットしておけば、必要最低限の泡を必要な時に作成する事が出来る。しかも、手を汚さずにお手軽に泡を作れてしまう。しかし、フォームランスは各社で仕様が異なっているので詳しく説明しておこう。
ヒダカフォームランス プラス | ケルヒャーフォームノズル | |
---|---|---|
洗剤 | 市販品使用可能 | 市販品使用可能 |
噴出形状 | 直線/扇型 | 扇型 |
重量調整 | 出来る | 出来る |
濃度調整機能 | 有り | 無し |
では、1つずつ具体的に見ていこう。
ヒダカのフォームランス
1番機能が豊富で使いやすいのがヒダカのフォームランスだ。まず、噴出形状が直線と扇形で変更ができる。洗車では扇形が便利ではあるが、高い位置を狙う際には直線が便利なシーンも有り切り替え機能があると便利だ。
また、市販の洗剤が使用できる上、原液をセットする形式だが、濃度調整機能があり、洗剤の種類と汚れ具合に合わせて簡単に洗剤の濃さを調整する事が出来る。
ケルヒャーのフォームランス
ケルヒャーのフォームランスは市販の洗剤は使用できるが決まった濃度でしか使用できない。この為、泡の出来が調整できないのだ。濃すぎたり水っぽかったりしても調整できず、安心してしようる為には純正洗剤に頼るのが一番だが値段が高めなのが難点だ。
リョービのフォームランス
リョービのフォームランスも市販の洗剤は使用できなくはないが、ケルヒャーと同じく濃度調節機能がない。さらに純正洗剤も自分で希釈してから使用せねばならずかなり面倒だ。希釈に失敗してしまうと水や洗剤を無駄に足さねばならず希望した濃度の泡を作り出すのも一苦労だ。
バリアブル アンダーボディスプレーランス
標準ノズルは直線でしか対象を狙えないので車体の下や屋根の上は狙いづらい。そこで長いランス(柄)と角度がつけられる噴出口を持つバリアブルアンダーボディースプレーランスを使用する事で高圧洗浄機を車体の下や屋根の上にも活用する事ができるのだ。洗車には必須とも言えるこのオプションはヒダカとリョービに付随しており、ケルヒャーには付随しない。
ノズルクリーナーピン
水道水が蒸発するとカルシウムなどの成分が析出され汚れになったりする為、水道水しか使用していなくてもノズルが詰まってしまうことがある。そんなときノズルの詰まりを解消するための金具が用意されている。その金具こそ『ノズルクリーナーピン』だ。ノズルの先端から差し込むことで簡単にノズルの内部を清掃することができる。ノズルクリーナーピンはヒダカとリョービに付随しており、ケルヒャーには付随しない。
水道蛇口ワンタッチカップリング
高圧洗浄機は庭先などに設置されている水道に接続して使用する。接続にはホースなどと同じ接続器具を介して行うが、高圧洗浄機も全く同じ機構となっている。つまり、これが無いと使用できないわけだが、なぜかケルヒャーには付随しない。既に持っているだろうという配慮なのかもしれないが、持っていない場合自分で手配せねばならず少々面倒だ。ヒダカとリョービにはキチンと用意されているので安心して大丈夫だ。
3m水道ホース一式
蛇口カップリング以外にも高圧洗浄機との接続にはホースが必要となる。通常のホースで構わないのだが、なぜかケルヒャーにはこのホースも用意されておらず自分で手配しなければならないので要注意だ。ヒダカとリョービにはキチンと用意されているので安心して構わない。
自吸キット
高圧洗浄機は水道の水を使用する為、水道代が気になる人もいるだろう。そんな人の為に雨水タンクなどの溜め水を吸い上げて高圧洗浄機で使用する事が出来る自吸キットと呼ばれるオプションがある。雨水なら水道代を気にせず作業できて安心感が得られる。
ただし、雨水タンクに自吸キットを取り付け、そこから車まで高圧洗浄機のホースを取り回して作業しなければならないので、それぞれの設置場所が遠いと準備が少々面倒になる。
また、高圧洗浄機による洗車は実はホースより節水効果がある。そもそも高圧洗浄機もホースも同じ蛇口からしか水が供給されないので高圧洗浄機だからと言って使用する水が増えるわけでは無い。むしろ、汚れが早く落ちる上に圧力をかけている都合上、同じ時間で時間に発射する水量は普通のホースより高圧洗浄機の方が少ないのだ。
そんな事情から自吸キットは洗車に関しては必須であるとは言えない。条件を満たせるラッキーな人はガンガン使用すれば良いが、雨水タンクから洗車位置が遠い人は無理せず水道利用で良いだろう。
自吸キットはケルヒャーのみで用意されている。商品が洗車だけでなく家屋などの更に大きい物も対処にしたセットなので自吸キットが用意されたのだろう。完全に洗車目的のヒダカやリョービのセットには用意されていない。
取扱説明書
当然ながらどの高圧洗浄機にも用意されている。ヒダカの場合、紙の説明書の他にDVDによる動画説明書も付いていて非常にわかりやすい。
洗剤
フォームランス(洗剤散布ノズル)で使用する洗剤が半固定のケルヒャーとリョービには専用洗剤が用意されている。一方で濃度調節機能により市販のカーシャンプーが使用できるヒダカには専用洗剤が付随しない。手元にあるカーシャンプーをそのまま使用できる。
テラスクリーナー
高圧洗浄機を使用すると威力が高いのでそれなりに水跳ねが生じる。この水跳ねを防ぎつつ、広範囲を洗浄できる様にしたのがテラスクリーナーだ。その名の通りテラスなどの広いタイル面などを掃除するのに打ってつけだが、残念ながら洗車では出番がない。完全に家屋清掃を目的としたとしたオプションの為、ケルヒャーのみに用意され、完全に洗剤目的のヒダカとリョービには付随しない。
総合評価は『ヒダカHK-1890本格洗車セット』が優勝!
ここまでで洗車を目的とした3社の高圧洗浄機セットを比較してきた訳だが、本体とオプションを総合的に評価した
その結果、優勝は『ヒダカ HK-1890本格洗車セット』に決定した!
その決め手となったのは以下の3点だ。
『ヒダカHK-1890本格洗車セット』優勝の決め手
- 水圧が最高威力
- フォームランス(洗剤散布ノズル)が秀逸
- 洗車に必須クラスのオプションがきちんと揃っている
1. 水圧が最高威力
最高クラスの高水圧
高圧洗浄機による洗車にとって高圧水の威力は生命線だ。水圧が低すぎるとせっかく手に入れても全く汚れが取れず何の役にも立たない。ヒダカHK-1890は国内最高クラスの9Mpaという洗車には十分な性能を保持している。軽自動車で高速道路を走るより3ナンバーのパワーのある車で走る方が運転者には楽に感じられる様に、パワーに余裕があると洗車作業も楽に行う事ができるのだ。高圧洗浄機にとってハイパワーである事は正義なのだ。
2. フォームランス(洗剤散布ノズル)が秀逸
カーシャンプーを瞬間で泡立てて発射できるフォームランスは非常に便利だし楽しいオプションだが、専用洗剤だとそもそもの購入コストが高く、濃度調整が出来ないと濃い目に発射される為、恐ろしく減りが早い。ヒダカHK-1890のフォームランスは市販洗剤が使える上、濃度も好きに調整出来るので安価に手に入る洗剤を使用でき、消費量もコントロールする事が出来る。ヒダカHK-1890のフォームランスは無駄遣いを防ぐ賢い設計となっているのだ。
3. 洗車に必須クラスのオプションがきちんと揃っている
購入してすぐに使えるように水道との接続キットがきちんと用意されていたり、車の下や屋根上の洗車に必須クラスのバリアブルアンダーボディースプレーランスなど高圧洗浄機を洗車に使用する際に必要なオプションがきちんとに揃っている。前述の秀逸なフォームランスも合わせて完璧なラインナップだ。
以上の比較結果から『ヒダカHK-1890本格洗車セット』を優勝に選ばせて頂いた。もちろん洗車部!でも購入し、日々愛車の洗車に大活躍してくれている。
あなたもぜひ『ヒダカHK-1890本格洗車セット』を手に入れ楽しい洗車ライフの仲間入りを果たして欲しい。