水垢の発生メカニズムと防止手順を学ぼう
気がついたら車のあちこちに出来てしまっているウロコ状の汚れ。それは水垢と呼ばれるやっかいな汚れだ。水垢は一度出来てしまうと非常に取れづらい。そんな水垢を防ぐための方法についてお教えしよう。
1 水垢はどうして発生するのか
この汚れは水分の中に溶けていたカルシウムなどが水分の蒸発と共に析出してきて発生する。特に水道水の場合はカルシウムの含有率が高くウロコになりやすい。山間部など地域によって硬質の水が水道水に使われている場所はこの傾向がとくに顕著だ。『引っ越したら急にウロコが出てきた』と言った症状はまさにその可能性が高い。
雨水も水垢の原因にはなるが水道水よりは発生率が高くはない。雨水は空気中を浮遊する砂、ホコリ、花粉などを巻き込んで落下してくる。それらが乾燥した時に車の上に残されてウロコ状の水垢になりえる。ただし、地域性があり、雨水で必ず水垢が出るかと言われればそうでもない。水垢で気を使わねばならないのはむしろ水道水の方が高いのだ。
2 どうしたら防げるのか
水垢の発生率が高いのは水道水である事が分かった。ではどうすれば良いのだろうか。答えは『ガラスコーティングの施工』がおすすめだ。100%とは行かない迄も発生確率を大きく下げ、また発生した時も取れやすくする事が出来る。
ガラスコーティングとは
車のボディ塗装や窓ガラスは一見ツルツルしているように見えるが、拡大すると凸凹がたくさん存在する。これらがあるせいで抵抗が増し、ボディや窓ガラスの表面を水滴が滑りにくくなっている。ガラスコーティングはボディや窓ガラスの表面に滑らかなガラス被膜を形成する。このガラス被膜は凸凹が非常に少なく抵抗になりにくい為、水滴が滑りやすくなる。
表面に水滴が留まりにくくなるという事は水垢の発生抑制にもつながるという訳だ。もちろん全ての水滴が落ちるわけではなく一部はそのまま蒸発し水垢が発生するが、凸凹の多いボディや塗装より滑らかなガラスコーティングの方が取れやすくなる。
では具体的にガラスコーティングを施工するにはどうすれば良いのだろうか。 詳しく紹介していこう。
3 水垢対策の手順
具体的には以下の4つの手順で対策する事が出来る。
水垢対策の4つの手順
- 必要な道具を用意する
- 水垢を除去する
- ガラスコーティングで水垢の発生をガード
- 洗車後は必ず拭き取りを行う
3.1 必要な道具を用意する
洗車部!でおすすめしている水垢防止に使用する道具は以下の通りだ。
水垢対策におすすめの道具
- アルティメットピカピカレイン
- ガラス磨き用コンパウンド
- ポリッシャー
- マスキングテープ
アルティメットピカピカレイン
一言で言い表すと、『自分で出来る高品質ガラスコーティングキット』だ。ガラスコーティングには非常に沢山の道具が必要になるが、アルティメットピカピカレインを一つ購入するだけでその大半が手に入ってしまう。コーティング初心者が市販されているケミカル類を相性まで考えながら全て揃えるのは非常に大変だ。その点、アルティメットピカピカレインなら必要なケミカル類は相性まで考慮されたものが一式用意されているので、知識が少ない初心者の方があれこれ悩まず施工出来るのでおすすめだ。
ガラス磨き用コンパウンド
アルティメットピカピカレインには窓用のコーティング剤が含まれてはいるが、唯一、窓用のコンパウンドだけが含まれていない。窓に既に水垢が出てしまっている場合はガラス磨き用コンパウンドを用意しておこう。おすすめは『3Mのガラス磨き用コンパウンド』だ。本職の整備士さん達にも愛用されている信頼性の高いコンパウンドだ。
ポリッシャー
磨き工程で出来れば用意しておきたいのがポリッシャーだ。手磨きでも水垢を除去することは可能ではあるが、磨くのが非常に大変なのでコンパウンドを使って水垢除去を考えているならポリッシャーは必須だと考えた方が良いだろう。もちろん、一度手磨きを体験してみてから決断してもらっても構わない。だが、十中八九ポリッシャーを購入する事になるだろう。それほどに手磨きは大変だ。私のおすすめのポリッシャーは『リョービのRSE-1250』だ。車の磨き工程に重要なランダムアクションという動作を行うことができ、素人でも扱いやすいパワー、購入しやすい安価な価格とクルマ磨きの為に作られたようなポリッシャーだ。
マスキングテープ
コンパウンドはゴム質や施工済みのガラスコーティングにふれるとそれらを壊してしまう可能性がある。この為、磨く場所以外に触れないようにマスキングテープで覆っておくと安心して作業する事ができる。
3.2 水垢を除去する
まずは既に発生してしまった水垢を除去しよう。この後行うガラスコーティングのガラス被膜が出来上がってしまうと、既に出来た水垢を閉じ込めてしまい除去出来なくなる。水垢を除去するにはコーティングを剥がさなければならなくなるので、先に水垢を除去してしまおう。
水垢を除去するための磨き方はボディと窓ガラスで異なる。それぞれ以下で紹介しているので参考にして頂きたい。
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3.3 ガラスコーティングで水垢の発生をガード
ガラスが十分に綺麗になったらコーティングを施工する。コーティングを施工すると雨粒が滑り落ちやすくなるので、ウロコの発生を抑える事が出来るのだ。
磨き工程と同じくボディと窓ガラスで施工手順が異なる。
ボディのコーティング方法
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4. 洗車後は必ず水滴を除去する
『どうせ青空駐車なんだから洗車後の拭き取りは要らないだろう』と思っている人がいるが、大きな間違いだ。発生のメカニズムの項目で述べたように水垢は水道水で発生する可能性が高い。雨水と水道水では成分が大きく違い、水道水の方が水垢になりやすいのだ。この為、ガラスコーティングを施した後も、洗車をしたら必ず拭き取りを怠らないようにしよう。ガラスコーティングにより水滴は落ちやすくなっているので拭き取りも施工前に比べて楽になっているはずだ。アルティメットピカピカレインを購入していれば、水分が吹き飛びやすくなるので、『洗車後に5分程度50km/hで走行する』だけでほとんどの水滴は吹き飛ばすことが可能だ。(ただし、後ろに車がいない状態で走ろう)
更に、アルティメットピカピカレインを購入した場合、大きなマイクロファイバーセームが付属しているはずだ。マイクロファイバーセームは吸水性が非常に高い上に、絞るとあっという間に水分が抜けてしまう性質がある。この性質のおかげで1枚で何度も水分を吸収でき、あっという間に拭き取りを完了させる事ができる。洗車後に吹き飛ばし走行が困難な場合は、マイクロファイバーセームでサクッと水分を除去しよう。これで水垢を極限まで抑えることができるのだ。
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