車の屋根に取り付ける為、掃除がしづらいルーフボックス。ピカピカレインでガラスコーティングする事で汚れにくく、掃除しやすくする事が出来る。具体的な施工方法についてお教えしよう。
作業の流れ
ルーフボックスにピカピカレインを施工する手順は以下の通りだ。
ルーフボックスへの施工手順
- 必要な道具の準備
- 出来ればルーフボックスは下ろす
- 洗車
- 磨き
- イオンデポジット除去
- 洗車
- 脱脂
- ピカピカレイン施工
- 乾燥
- ルーフボックスを戻す
- ナノピカレイン施工
1. 必要な道具の準備
作業に必要となる道具は以下の通りだ。
必要な道具
- 洗車道具一式
- ピカピカレイン
- ナノピカクロス
- コンパウンド(※)
- ポリッシャー
- 脱脂剤(※)
- ナノピカレイン(※)
(※)が付与されているものはアルティメットピカピカレインのセットに含まれている
洗車道具一式
施工前やコンパウンドによる磨き後など要所要所で洗車を挟む必要がある。普段使用している選書道具を用意しておこう。この際、カーシャンプーだけはワックスなどが含まれない純粋なカーシャンプーを用意しよう。ワックスなどが残っていると正しくコーティング出来ないので注意が必要だ。高圧洗浄機を持っている人は使用することで汚れが綺麗に落とせる確率があがるので積極的に活用しよう。
ピカピカレイン
ピカピカレインには『アルティメット』と『プレミアム』の2つがおすすめだ。『アルティメット』の方が上位バージョンで耐酸性が付与されている他、様々な下地づくり用やメンテナンス用の溶剤が含まれている。
あなたが施工したいルーフボックスが新品であれば『プレミアム』で十分だ。一方で新品から時間が経ち、汚れが蓄積しているのであれば下地づくりキットが予め用意されている『アルティメット』がおすすめだ。
今回は、汚れが蓄積してしまったルーフボックスを前提に『アルティメットピカピカレイン 』を使った施工で説明しよう。
アルティメットピカピカレインは最高級グレード
アルティメットピカピカレインはピカピカレインの中でも最高級に位置するグレードだ。コーティングの能力としてはひとつ下のプレミアムと比較すると『耐酸性』の効果で一歩秀でている。車における耐酸性は酸性雨や潮風による酸化に効果を発揮する。これらは塗装や金属を劣化させる原因となるが、アルティメットピカピカレインのガラス被膜があれば酸化を防いでくれるのだ。
コーティングに必要なものがほとんど揃っている
2種類のコンパウンドや専用スポンジなど施工に必要な物が一式含まれている。更にマイクロファイバーセームやナノピカクロスなど普段の洗車にも使える便利グッズがたっぷり用意されている。コーティングをやった事がない初心者が闇雲にケミカル類を集めるより余程安心して使用する事が出来る。
アルティメットピカピカレインについては『アルティメットピカピカレインの上手な施工方法』で詳しく紹介しているので参考にしてほしい。
ナノピカクロス
ピカピカレインを施工する時には綺麗なウェスを使用して拭き伸ばしを行う必要がある。この時、きめ細かなウェスを使用することで仕上りを綺麗にすることが出来る。ピカピカレインには拭き伸ばしに最適なウェスとしてナノピカレインが付随しているのだ。
コンパウンド(※)
アルティメットピカピカレインに2種類のコンパウンドが含まれているので、購入した人は個別に用意する必要は無い。アルティメット以外のラインナップを購入した場合はコンパウンドが付属しないので車用のコンパウンドを別途用意しよう。
ポリッシャー
ルーフボックスを購入してからしばらく屋根の上で使用していた場合、様々な汚れが表面を覆っている。簡単な洗車だけでは落としきれない細かな汚れが沢山付着さているのだ。例えば洗車時に発生しやすい水垢。通称ウロコとも呼ばれるこの汚れは水道水の中に含まれるカルシウムなどが乾燥して析出する事により発生する。洗車後にしっかり水気を拭き取れば防止する事が出来るが、ルーフボックスを完璧に拭き取りしている人は少ない事は想像に難くない。手が届かないなどの理由から放置され、立派な水垢が出来ている事が多い。これらの頑固な水垢も綺麗にしてからコーティングしたいと思うならポリッシャーが必要だ。磨き工程は少なからず手間がかかる上、ルーフボックスは大きいので全体を綺麗にするにはかなりの時間と手間が必要だ。作業を楽にするためにはポリッシャーがとても役に立つのだ。
ポリッシャーのおすすめはRSE-1250だ。磨き工程に重要なランダムアクション機能があり、お値段手頃も手頃な磨き初心者から中級者向けの製品となっている。一つ持っておけば今後のカーライフでも活躍してくれるのでおすすめだ。
脱脂剤(※)
ピカピカレインの苦手なものは水分以外にもう一つ有る。それは『油分』だ。油分はガラス被膜の硬化を妨げてしまう原因になる。硬化できたとしても脆くなったりして完全な性能を発揮することが出来なくなる。油分を除去するためにはアルコールなどの溶剤による分解除去が必要だ。アルティメットピカピカレインを購入した場合は相性の良い脱脂剤が付属しているのでとても安心だ。ナノピカクロスと一緒に施工することで簡単に油分を除去する事ができる。
ナノピカレイン(※)
コーティングによるガラス被膜は非常に高い硬度を誇るが、色々な物が飛んでくる屋外では常に無事に過ごすことは難しい。使用する期間が長くなるにつれ小傷が生じることは避けづらい。そこで『使い捨ての保護膜』をガラス被膜の上に一つ生成することで傷の発生を吸収させ、適度に膜を貼り直すことでいつまでもコーティングを綺麗な状態に保つことが出来るのだ。アルティメットピカピカレインを購入した場合、この使い捨ての保護膜を生成する『ナノピカピカレインメンテナンス剤』が付属するのだ。市販品で代替品を探すのは難しいため、使い捨ての保護膜によるガラス被膜保護を行いたい場合はアルティメットピカピカレインを選択しよう。
2. 出来ればルーフボックスは下ろす
ルーフボックスは車の上に設置される特徴上、どうしても手が届きにくい。安全に作業する為にできれば下ろしておきたい所だ。どうしても下ろすのが大変だったり置く場所が無いなどの理由があるならば、大きめの脚立を用意して楽に手が届くようにしておこう。
3. 洗車
ルーフボックスは屋根の上という特殊な環境で仕事をする為、汚れが付きやすい上、洗浄が難しい。この為、様々な汚れが付着している。まずはこの汚れをしっかり洗車で落としてやろう。高圧洗浄機を持っていれば活用するとより簡単に綺麗になる。高圧洗浄機については『高圧洗浄機特集!』で紹介しているので参考にして欲しい。
4. 磨き
アルティメットに含まれるコンパウンドは2種類あり『極細』と『超極細』だ。まずは粒子が粗い極細から始め、仕上げに超極細を使用して磨いていく。
コンパウンドをポリッシャーに塗布
ポリッシャーのスポンジに6滴程付着させる。使い始めだけは滑りにくいので少し多めに塗布すると良いだろう。
ルーフボックスに軽く押し当てる
ポリッシャーの電源を入れる前に必ずルーフボックスの磨く面に押し当てよう。空中でスイッチを入れるとポリッシャーが回転でそこら中に飛び散る憂き目にあってしまう。要注意だ。
スイッチをONにして磨く
ポリッシャーのスイッチを入れるとオレンジのスポンジが回転を始める。回転する速度はRSE-1250の先頭に付いている回転調整ダイヤルで変更出来る。最高速の『5』で磨いても問題はないが振動が大きいので手が疲れないように少し回転を落としても構わない。
磨く際の注意点
ルーフボックスを磨く際の注意点は以下の通りだ。
磨き工程の注意点
- 狭い範囲に分割して少しずつ磨いていく
- 研磨剤は一度にスポンジに対して大さじ1杯程度でOK
- 磨く面に対して垂直に押し当てる
- 狭いところは無理をしてポリッシャーで磨かず付属スポンジで磨く
- 段差部分は焼き付く恐れがあるのでポリッシャーではなく付属スポンジで磨く
- 車に載せたまま作業する場合は落下に注意
特に、ルーフボックスを降ろさずに車上で施工しようとする場合は、思いポリッシャーが高い位置に持っていく為、誤って落下させると大きな損害になりかねない。安定した足場を準備して作業するように心がけよう。
5. イオンデポジット除去
イオンデポジット(水垢、ウロコ)はコンパウンドによる研磨で基本的に全て落とせるはずだ。しかし、ポリッシャーが使いづらい場所などで手作業にならざるを得ない場所に強固な水垢がある場合には落としきれない事がある。そんな時に役に立つのがイオンデポジット除去剤だ。化学成分で水垢を分解してくれる優れものだ。アルティメットピカピカレインのセットに含まれているのでどうしても取れない水垢に遭遇したら使用すると良い。
使い方は簡単で以下の流れとなる。
コットンに含ませる
除去剤を付属のコットンに数滴染み込ませる。多く染み込ませる必要はなく最低限、除去したい部分に
水垢にかぶせて30秒待つ
水垢にダイレクトに当たるようにしてコットンを密着させた状態で30秒待つ。除去剤は強力なので長時間付着したままにならないように注意する。
コットンを取り拭き取って様子を見る
コットンを取ってから綺麗なタオルなどで拭き取り水垢が取れたか確認する。
取れていなければ繰り返す
30秒だけで綺麗にならなかった場合は再び30秒かぶせるところから繰り返す。
6. 洗車
コンパウンドやイオンデポジット除去剤は長時間付着したままにしておくと塗装やゴム素材を痛めてしまう可能性がある。使用したら必ずそのあと洗車してこう。洗車方法はいつもと同じで構わない。
水分除去は完璧に行おう
ピカピカレインは水分を苦手とする。施工してから硬化するまでの間に水分に触れると硬化が失敗してしまうのだ。洗車後には水分が残らないようにしっかり拭き取りをしておこう。
拭き取りにはマイクロファイバーセームが便利
アルティメットピカピカレインのセットに含まれる『マイクロファイバーセーム』は水分を吸収しやすく、絞るだけであっという間に水分を除去する事が出来る優れものだ。マイクロファイバーセーム1枚で車全体を拭き取りする事が出来る。持っていると今後の洗車でも大活躍してくれる優れものだ。
最後の乾拭きで完璧
マイクロファイバーセームで水分の大半を除去したら、念の為ナノピカクロスで拭き取りしておくと更に完璧だ。ナノピカクロスは拭き取り用のウェスの位置付けだが、市販のウェスとは異なり上等な仕上がりになっている。市販のウェスは品質が悪いものも多く、使用すると車体に糸くずなどを残してしまう事がある。糸くずなどもピカピカレインの効果を邪魔する為、可能な限り無い状態が望ましい。その点、ナノピカクロスはほつれにくい縫製がなされており、最後の仕上げに申し分ないウェスと言える。ナノピカクロスもアルティメットピカピカレインのセットに含まれているので購入した人は新たに買う必要もなく安心だ。
7. 脱脂
アルティメットピカピカレインは水以外にも苦手とするものがある。それは『油』だ。人間が手をつくだけで大量の油が車に移り、ピカピカレインの硬化を邪魔してしまう。ルーフボックスは使用する時必ず手で触れるので少なからず油分は付着しているはずだ。洗車すれば大半の油分は落ちているはずだが念の為、脱脂作業で確実に油分を落としておくと完璧だ。脱脂に使用するケミカルもアルティメットピカピカレインにちゃんと付属しているので安心だ。
2、3プッシュして拭き取りを繰り返す
脱脂剤はプッシュ式のボトルに入っている。アルティメットピカピカレインセットに入っているナノピカクロスと一緒に使用する。まずは脱脂剤をナノピカクロスに2、3回プッシュして吹き付ける。そして、ナノピカクロスで脱脂したい面を拭き取りするだけだ。特に開閉時にもれなく手が触れる部分は念入りに拭き取りしておこう。
脱脂作業が終わればいよいよ本命のピカピカレインの施工に移ろう。
8. ピカピカレイン施工
ピカピカレインは付属のスポンジに付着させて塗りつけ、ナノピカクロスで拭き取りを行う。
スポンジに付着させる
スポンジにピカピカレインの瓶を押しつけながら逆さにして数滴付着させる。
スポンジを使って塗りつける
スポンジを施工面にあてがい、優しくスライドさせ塗りつけていく。スポンジが新しいうちはスライドさせにくいかも知れないが、塗りつけが進むにつれ滑りやすくなるので何度か繰り返しスライドさせてみよう。
乾燥させずに拭き伸ばす
ピカピカレインはワックスの様に乾燥させてはいけない。まだ液体であるうちに、ナノピカクロスで均一に薄く拭き伸ばしてあげよう。スポンジで塗っただけではまだムラが多いのでナノピカクロスでしっかり伸ばしてやると仕上がりが美しくなる。
スポンジとナノピカクロスは汚れたら取り替える
どれだけ洗車を丁寧にしても取りきれなかった汚れが出てくる事がある。施工が進むにつれ、そういった汚れをスポンジやナノピカクロスが拾ってしまう。汚れたままのスポンジやナノピカクロスを使用しているとピカピカレインにも混入してしまい硬化が失敗しかねない。ピカピカレインプレミアムなら3個、アルティメットピカピカレインなら10個のスポンジが付属しているので汚れたと感じたら潔く交換する様にしよう。
ナノピカクロスについては、残念ながらピカピカレインプレミアムには替えが付属しないのでなるべく綺麗な部分を使用する様に心がけよう。アルティメットピカピカレインなら替えが10枚も付属するので心置きなく交換して確実な施工を目指そう。
9. 乾燥
12時間は水気から完全に守ってあげよう
ピカピカレインの硬化時間は12時間だ。この時間内は水に濡れないようにしなければならない。水に濡れてしまうと硬化が失敗してしまうからだ。ルーフボックスを屋根のある場所に移動させ雨や夜露やから守ってあげよう。12時間が経過すれば水気などに触れても問題ない所まで硬化してくれる。
2週間後は使用を控える
ピカピカレインが完全に硬化するまで2週間もの時間がかかる。この間はまだガラス被膜が完全に固まっていない為、手で触ってルーフボックスを開け示して振動を与えてしまうと、せっかくのガラス被膜が壊れてしまう可能性もある。特に緊急の用事がない限りは施工後2週間はルーフボックスの使用を控えるほうが懸命だ。
10. ルーフボックスを車上に戻す
2週間の完全硬化が完了したらルーフボックスを車の上に戻してやろう。これでピカピカレイン施工後が完了し使い始める準備が整った。
しかし、アルティメットピカピカレインのセットを購入した人にはもう一つ、日頃のメンテナンスで使用できる便利なアイテムが残っている。次で紹介しよう。
ピカピカルーフボックスの完成!
11. ナノピカレイン施工
アルティメットピカピカレインを購入した人には、更にもう1枚ガラス被膜を追加できるオプションがついてくる。それが『ナノピカレイン』だ。ナノピカレインは吹き付けて薄く伸ばすだけで、ピカピカレインの被膜の上に更にもう1つ保護膜を形成しガラス被膜を守ることが出来るのだ。
ナノピカレインの施工は非常に簡単
ナノピカクロスにナノピカレインを吹き付けルーフボックスに拭き伸ばすだけ。硬化後の拭き取り等も無く非常に簡単だ。この程度の作業ならルーフボックスを外さなくても手が届くだけの脚立があれば作業することが出来る。
ガラス被膜は非常に硬いとは言え、様々な物が飛んでくる屋外で使用するため、小傷が付いてしまう可能性は捨てきれない。そんな中、ナノピカレインで保護膜を作っておけば傷は保護膜で吸収され、さらに保護膜は定期的に簡単補修する事ができるので、大事な塗装とガラス被膜は傷つくこと無くいつまでも綺麗に保てるのだ。ナノピカレインはコーティングの綺麗さを最大限に楽しむための必須オプションと言えるだろう。
この様な細かなオプション一つとっても、コーティング初心者にも簡単な施工で楽しめるものが揃っているので、コーティング剤を選ぶ際には『アルティメットピカピカレイン』を選択するのがおすすめだ。
上手く施工できればほぼ高圧洗浄機だけで洗車完了できる
ここまでの作業で『汚れが付きづらく落ちやすいピカピカのルーフボックス』の完成だ。私はアルティメットピカピカレインでルーフボックスのコーティングを行ったが、施工後は高圧洗浄機(HK-1890)の放水のみで洗車が終わるようになった。洗剤で洗うのは気が向いた2ヶ月から3ヶ月に1度あるかどうかだがそれでも十分綺麗な状態を保つことが出来ている。便利なルーフボックスは洗浄がデメリットになりがちだが、ピカピカレインでそのデメリットも極限まで小さくする事ができる。洗いにくいルーフボックスだからこそコーティングの威力は大きい。アルティメットピカピカレインやピカピカレインプレミアムならミニバン1台とルーフボックス1つ程度なら十分1本で施工出来るのでぜひやってみて欲しい。